『SHARING』へのコメント①
是枝裕和 (映画監督『そして父になる』『海街ダイアリー』『万引き家族』)
震災そのものの向こう側、それによって露わになったものを描こうとしている誠実な映画だと思いました。直接震災を経験していない人間が、震災を語る語り方があるということに、真摯に向き合って考えられた映画だと思います。
黒沢清 (映画監督『散歩する侵略者』『スパイの妻』)
本当に傑作だった。迷宮のような建築物、ぞくぞくと登場する人間たち。
そして現世を超えた物語、その圧倒的なスケールの大きさに身震いした、大胆で繊細で、充分スキャンダラスで、ラストは感動的で。
堂々たる社会派ダークファンタジーの登場だ!
塚本晋也 (映画監督『鉄男』『野火』『斬、』)
震災後の不安を形にした映画。ドキドキするけど、優しさが溢れていて。
心に傷ついた人たちが登場しますが、彼女らこそがまとまな人たちと思いました。
佐藤信介 (映画監督『GANTZ』『キングダム』)
隅々から映画の力が押し寄せてくる感じがしました。震災によって失われたものが、言葉ではなく、映像でもなく、事実の記録でもなく、映画の力によって語られていました。忘れかけていたこの映画の力が醸す、これまで感じたことのない感覚によって、答えも結末も導きだせないこの日本の物語が綴られていました。
抜け出すことのできない僕らの前に広がる迷路を、ここまで実感できた時間はありません。