映画館という場所~名古屋シネマテークリモート挨拶より
2021年3月6日(土)名古屋シネマテークにてリモート挨拶
3月5日から京都、大阪、名古屋で始まった拙作の上映ですが、昨晩(3月6日)は、名古屋シネマテークで『共想』上映後にリモートでご挨拶を。当初30分の予定でしたが、気がつくと22時をすぎて、50分近く。長時間お付き合いくださった観客の皆様、ありがとうございました。『共想』の丘が『おかえり』に似ている…というご指摘(ご指摘の通り、同じ丘で、20数年ぶりに撮影しました。実は、学生時代に撮った8ミリ映画『ハメルンの笛吹き』(1984)が最初で、30数年間で3回目)や珠子の冒頭まもないシーンの撮影方法や、劇中語られる「9月1日」生まれという言葉に関して、珠子にはピンと来ていないリアクションにこめた思いと、9月1日生まれの、私が敬愛する二人の俳優について、等々。永吉さんはじめ、シネマテークの皆さんには残業させてしまって申し訳なかったですが、とても楽しいひと時でした。リモートの画面ごしでしたが、名古屋シネマテークの劇場の様子を見ることが出来て、嬉しかったです。あの階段や廊下、ロビーのことなども思い出していました。そして、何よりも、平野勇治さんのことを。『おかえり』で初めてお会いした時のこと。『SHARING』の上映時に久しぶりに名古屋シネマテークにお邪魔して、平野さん、永吉さん、映画を見に来てくれた清水君と4人で語らった夜のこと。やはり私は、映画館という場所が好きです。配信を否定するつもりはありませんが、映画館でないとありえない出会いがあります。映画は、どこで誰と見たのか、どういう状況で見たかも含めて、映画です。
映画館で映画を見ることは、ひとつの体験なのです。ちなみに『共想』には、私が子ども時代から足繁く通い詰めた、今はなきニュー八王子シネマ(旧・ニュー八王子映劇)の在りし日の姿が写っています。