2020年7月4日の上映会の報告

去る7月4日、アテネフランセ文化センターで1984年~2020年に監督した映画の特集上映がありました。今年1月11日(土)に3・11以後を描いた『あれから』『SHARING』『共想』の3作が同館で上映され、それに続いて4月4日(土)に拙作をまとめて上映する予定でしたが、コロナによる緊急事態宣言の数日前に上映延期を決断しました。緊急時代宣言あけで再度、7月4日を上映日と決めたものの、感染者が再び増え始め、アテネフランセ文化センターのスタッフの方々とも話し合いの末、上映会を行うことにしました。観客の方はマスク着用。入場時に検温、消毒。客席も密にならないように前後左右、1席ずつ間隔をあけ、上映中も休憩時間中も充分な換気を行い、入れ替え時間を長くとり、1回の上映ごとに、観客席を全席消毒するなどのコロナ対策を講じての上映会となりました。
学生時代に撮った8ミリ映画、大学の先輩であり、敬愛する映画監督黒沢清監督のドキュメンタリーと、この日の上映会のためだけに編集した黒沢さん主演の3分間の短編映画、そして商業映画監督デビュー作『おかえり』から現時点での最新長編映画『共想』まで。
36年間に渡って、8ミリフィルムから35ミリ、デジタルまで多岐にわたるメディアで作られた映画たちを、観客の皆さんと一緒に見ながら、様々な思いが去来しました。三つ子の魂百までも言いますが、20歳で撮った8ミリ映画は、その拙さはさておくとしても、やはり今の自分の映画と地続きの気がして、しかも、コロナ禍の日本とシンクロするような内容でもありました。上映後に、マスク越しに話しかけてくださる方もいて、上映会をして本当に良かったと思いました。

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